スパイスカレーの旨味を引き出すため
- kojisumoto
- 2024年11月23日
- 読了時間: 5分
僕はシェフではありませんか、色んなシェフとの経験を経てきたものがあるので、スパイスや紅茶のマイスターはあるものの、立ち上げたカフェでドリンク、バーガーや鉄板焼き、その後、海外を渡り歩いてから調理師免許でもとっておけば良かったといまだに思っています。
日本の免許はヨーロッパでは通用しませんが、現場での答え合わせには役だったと思います。
今ではフライパンですら左手で振れないのでだめですが、調理場で何と何を合わせるとどうなるとか!何を探してくれとか!毎回が化学実験のようで楽しかったなという思い出ばかりです。
自分でも作って試してを繰り返していたので、倒れて頭の中が空っぽにならなかったことが不幸中の幸いです。
エジプトでスパイスに興味を持たなかったら、フランスで紅茶を好きにならなかったら、デザイナーオンリーで今が無かったかも知れませんね。
毎日、スパイスカレーの話題ばかりに目がいきます。レシピもそれぞれに楽しそうです。
なので旨味に関してのポイントとテクニックをここに示します。

1. ベースの旨味を高める:
- 玉ねぎの炒め方: 玉ねぎをみじん切りにしてじっくりと炒めることで、甘味とコクが引き出されます。黄金色から飴色になるまで炒めることで、カレーのベースに深みが加わります。
飴色の過程でおこるアミノ酸と糖がメイラード反応を引きおこし熱でカラメル化が進みます。
カラメル化を促進する為に砂糖を入れることで甘味と風味を深めることも出来ます。
- トマトの使用: トマトは酸味と甘味を加えるだけでなく、旨味成分であるグルタミン酸も多く含まれています。ホールトマトやトマトペーストを加えると良いでしょう。
- ドライトマトを使用する: トマトは天然の旨味成分であるグルタミン酸を多く含んでいます。ドライトマトは水分が抜ける過程でこの旨味成分が濃縮され、より強い旨味を持つようになります。グルタミン酸は、いわゆる「旨味」の基本的な要素であり、全体の味を豊かにする効果があります。

2. スパイスの使い方:
- ホールスパイスのテンパリング: クミンシード、マスタードシード、カルダモンなどのホールスパイスを油でテンパリングすることで、スパイスの香りと風味が最大限に引き出されます。
- パウダースパイスの追加: ガラムマサラ、ターメリック、コリアンダーなどのパウダースパイスを適切なタイミングで加え、風味をしっかりと引き出すことが重要です。
炒める段階で加えることで、スパイスの風味が際立ちます。
3. 旨味の追加:
- チキンストックや野菜ブイヨン: スープストックを加えることで、カレーに深い旨味を加えることができます。自家製で作るとより風味豊かな仕上がりになります。
- 発酵食品の活用: ヨーグルトや味噌を少量加えることで、コクと旨味が増します。特にヨーグルトは乳酸菌の働きで肉を柔らかくし、全体の味をマイルドにします。
4.乾物の利用:
- 干し椎茸や干しエビなどの乾物を使うと、自然な旨味が加わります。乾物は水で戻し、戻し汁ごと加えることで旨味成分を余すことなく利用できます。
5. 調理方法の工夫:
- 低温での煮込み: カレーは時間をかけてじっくりと煮込むことで、素材の旨味が溶け出し、全体が調和します。特に肉を使う場合は、肉が柔らかくなるまでゆっくりと煮込むと良いでしょう。
- 仕上げの調整: 最後に味を見て、必要に応じて塩や酸味を調整します。少量のレモン汁やビネガーを加えると、味が引き締まり、他の風味が引き立ちます。
6. 香りのアクセント:
- フレッシュハーブの利用: コリアンダーリーフやミントを最後に加えることで、香りが立ち、全体の風味が豊かになります。これらのハーブは彩りにもなるため、見た目にも美しい仕上がりとなります。
7. コクを引き出す要素:
- ココナッツミルクやクリーム: カレーにコクを加えたい場合、ココナッツミルクやクリームを少量加えると良いでしょう。これにより、まろやかさが増し、濃厚な味わいになります。
8. 味のバランスを考える:
- 甘味と酸味のバランス: 砂糖や蜂蜜を少量加えることで、スパイスの辛味と酸味が調和され、全体的なバランスが取れた味になります。
9. スパイスの熟成
- 一晩寝かせる: カレーは作った後に一晩冷蔵庫で寝かせることで、味がよくなじみ、スパイスの風味が深まります。
これは、スパイスの成分が他の材料と化学反応を起こし、旨味が増すためです。
常温での保存はせず、冷まして空気に触れないタッパー又は鍋のまま冷蔵庫で保存します。
20℃から菌は増殖し始めますので、食中毒には気をつけましょう。
寝かせた後の再加熱の注意
一晩寝かせたカレーを再加熱する際は、以下の点に注意!
- 均一な加熱: カレーを鍋に移し、弱火から中火でゆっくりと温めることで、全体を均一に加熱します。
- 水分の調整: 冷蔵庫で保存する際に水分が蒸発することがあるため、再加熱の際には少し水やブイヨンを加えて適度な汁気を保ちつつ、風味を増すことができます。
- 風味のチェック: 再加熱の際に、時間が経つにつれて味が変わるため、味見をして必要であればスパイスや塩を追加することをお勧めします。スパイスは過度に入れる必要はありませんが風味を感じる程度に調整が必要になることがあります。
少し手を加えると風味も上がってさらに美味しく食べれます。




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