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SHIBU nuno factory 鞄ブランド

  • 執筆者の写真: kojisumoto
    kojisumoto
  • 2024年7月4日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年9月27日

原宿デザイン事務所時代にSHIBU nuno factoryというブランドを展開して、帆布の柿渋と事務所のある渋谷を掛けたネーミングの鞄を東急ハンズなどに入れていた事があります。ライフスタイルが全てデザインに囲まれていた時代です。

ミニクーパー40周年〔1999年〕に当時の雑誌MINI FREAKの編集長と企画して車内にポケットの少ないクラッシックMINIの為に、ドアポケット、シート下、トランク、座席などに収まる小旅行用の鞄の製作をして有明のギフトショーに車を持ち込んで会場展示、大人の遊び心いっぱいでドキドキワクワクしながらも展示会をやれた事が昨日の様に思い出されます。

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写真は、会場に運び入れMINI FREAK誌面を飾ったオープンタイプのクラッシックMINI。本国ではBMWのNEWタイプに様変わりしていて、クラッシックMINIは日本でしか走っていないと言われていた時代です。150万かけてパーツ交換してあるのでとてもカッコイイMINIでした。


伝統工芸やインテリアと長年仕事で向き合ってきたので、長く使えて機能も良いものにしたいと思い染め職人さんたちと丈夫な帆布素材に日本伝統的な染め手法「柿渋染め」を施しました。そんな想いが詰まった製品の断片が自宅の押入には沢山ひしめき合っています。いまだに色褪せない呼吸する鞄。歳を重ねるたびに色濃くなってゆきます。(そこが柿渋の天然染めの化学変化であり良いところです)

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鞄は走行会などに出店したりもしています。

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柿渋染めは、環境に優しい自然の塗布剤なので呼吸してその効果を持続させる力があります。その特徴は、

1. 防腐効果: 柿渋に含まれるタンニン成分は、細菌の繁殖を抑制するため、古くなりにくくする効果があります。

2. 防虫効果: 柿渋には殺菌効果もあり、害虫の侵入を防ぎ、保護してくれます。

3. 防水効果:柿渋は防水性に優れ耐久性を高める効果があります。

 

無造作に段ボールに詰めてありましたが、虫に食われる事なくそのままの姿で、10数年さすが柿渋と思います。その柿渋染めを、色渋にして旅する鞄という意味で抽象的な地図柄をデザインして生地が上がった時には、この展示会のイメージが完成したという事を思い返しました。

色柿渋は、白、赤、黒、茶と柿渋を煮詰め色素とあわすることで、柿渋独特の渋味や新しい色が強調された濃い色合いの塗料となり、他に表現出来にくい柿渋に仕上がりました。とにかく、楽しくて財布からボストンバックまでプロデュースしました。日本の伝統的な技術と素材を活かした美しい塗料と帆布の組合せは温かみのある自然な色合いで、経年ごとに変化して深まり、味わいが増すことがこの製品の魅力になることを願い、持つ人にシンプルで素朴な雰囲気のあるアイテムとして長く愛用してもらえることを夢見ていました。

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この頃から、仕事の幅も広がり海外へ出張する事が増えたことも重なり、この鞄や生地の生産は一時中断したまま復活する事なく今に至りましたが、いつかまた機会があればと心のどこかで思っています。

購入された鞄たちがまだ誰かの元で愛用され息づいていることを願っています。

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